パイロットパパは、三つ子とママを諦めない
 高瀬さんはそう言って、私が肩にかけていた仕事用のサブバッグへ自然に手を伸ばす。

「えっ、大丈夫です! これくらい自分で……」
 慌てて引っ込めようとした左手が、ふいに彼の手のひらへ触れた。ほんの一瞬だったのに、それだけで胸がどきりと鳴る。
 けれど高瀬さんは何事もなかったようにバッグを受け取り、「結構重いですね」と穏やかに笑った。
 確かに今日はパソコンに資料、他の仕事道具まで入っていて、普段よりずっと重かったのは事実だ。

 素直に甘えることにしたものの、そのあまりにも自然でスマートな振る舞いに、やはり女性の扱いにも慣れている人なのだろうと思ってしまう。

 もちろん、サービス業という仕事柄、女性の荷物を持つくらい当たり前なのかもしれない。
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