唯織くんは素直にデレない
朝っぱらから元気過ぎだろ、アイツら!

ウンザリ息を吐き、正面に向き直ると、

「げ!」

目の前には2mほどの高さの金網。

突如現れたその壁が唯織の行く手を阻(はば)んでいる。

「ちッ、行き止まりかよ」

迷うヒマなく、持っていた学生カバンを網の向こう側に投げ入れ金網に飛びつく。

そして網の隙間につま先を掛け、身軽にスイスイと登っていった。

てっぺんからひらりと風に乗って舞い降りる。

スタッ。

顔だけ振り返って見ると、男どもが金網を掴んで力まかせにガシャガシャ揺らしていた。

「ンのヤロ、か ん べぇえっっ!!!」

忌々(いまいま)しげに叫び、唯織に倣(なら)って網をよじ登ろうとする。

けれど、

「おい、早く登れ!!」
「いや、つま先入んねぇよ!!」
「お前ジャマだって!」

「ぷぷ。テメェら、ゴリラだってもちょっと機敏に動けるぜ」

「ウッセェ、神戸!!! お前絶対今すぐ締め殺す!!!」
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