僕に好かれて困った君、愛でたい!
「ふぁぁぁぁぁ」
リキは、両手を上にあげ、思い切り伸びをした。
「空き時間なんかすんの?」
シオンはギターを置いて、椅子の背もたれに手をかけ、リキの真上から覗き込んだ。
「ネイル……かも」
「さすが、kickthroughオシャレ番長」
リキはニコリともせず、ひょいと立ってサングラスをかけると、シオンの横を通り過ぎた。
「ちゃんと戻ってこいよ」
スタジオのドアが閉まる。
戻ってこいよ、って。
また妙な声かけをしてしまった、とシオンは思った。
リキは、あの夏の野外ライブの後から
急に魂が抜けたかのようだった。
ヤル気がない訳じゃない。
が、明らかに元気もなく……
演奏に張りがなかった。
前にもこんな事あったな、
シオンはふぅっとため息をついた。
なんとなく原因は分かる。
でもこればっかりは……。
シオンはスマホに手をかけた。
ーーーーーーー
あの野外ライブの日。
花火が打ち上がる中、光の中で
あの2人のキスを見た。
何度も何度も……
周りに誰もいないと思ってたのか、もう2人の世界にどっぷり入り込んでいた。
「関係者通路から丸見えだったし、バカッ!」
失恋?いや、そういうんじゃないし。
そもそもMV撮影で……
シオンは、用意されてた女優は使わず、直々にモモちゃんを連れてきた。
だからその時点で、
シオンがモモちゃんをすっごく気に入ってるとは思ってたし。
邪魔する隙間もなかった。
リキは頭を軽く振る。
サラサラとしたマッシュヘアが揺れた。
深く深海のような髪が、陽の光に透けて青色に見える。
リキはカフェに寄って、アイスコーヒーを買った。
それを手に持ちストローをくわえると、また歩き始めた。
「あっつ!」
まだまだ本格的な夏はこれからなのに。
なんかこの暑さにもイライラしてきたぞ。
通りすがりに、仲良くスマホを見てる男女。
あ、あいつらは恋人繋ぎしてる。
なんだよイチャイチャしてっ!
街の中、目につくのは恋人同士ばかり。
リキはストローを噛んだ。
僕なんて、今1番売れてるアーティスト
kickthroughのイケメンギタリストだぞ!
シオンより6つも歳下の若いイケメン22歳なんだぞ!!
顔はイイ、声はイイ、優しい、甘え上手
僕が笑って甘えればだいたいなんでも許される!
てか僕、別にモテるから。
うん、そういうことじゃない。
そこまで頭の中で並べてみて、ため息が出た。
シオンは楽しそう。
モモちゃんも幸せそう。
「……なんっか、つまんない!」
リキはもう何もかも面白くなかった。
リキは、両手を上にあげ、思い切り伸びをした。
「空き時間なんかすんの?」
シオンはギターを置いて、椅子の背もたれに手をかけ、リキの真上から覗き込んだ。
「ネイル……かも」
「さすが、kickthroughオシャレ番長」
リキはニコリともせず、ひょいと立ってサングラスをかけると、シオンの横を通り過ぎた。
「ちゃんと戻ってこいよ」
スタジオのドアが閉まる。
戻ってこいよ、って。
また妙な声かけをしてしまった、とシオンは思った。
リキは、あの夏の野外ライブの後から
急に魂が抜けたかのようだった。
ヤル気がない訳じゃない。
が、明らかに元気もなく……
演奏に張りがなかった。
前にもこんな事あったな、
シオンはふぅっとため息をついた。
なんとなく原因は分かる。
でもこればっかりは……。
シオンはスマホに手をかけた。
ーーーーーーー
あの野外ライブの日。
花火が打ち上がる中、光の中で
あの2人のキスを見た。
何度も何度も……
周りに誰もいないと思ってたのか、もう2人の世界にどっぷり入り込んでいた。
「関係者通路から丸見えだったし、バカッ!」
失恋?いや、そういうんじゃないし。
そもそもMV撮影で……
シオンは、用意されてた女優は使わず、直々にモモちゃんを連れてきた。
だからその時点で、
シオンがモモちゃんをすっごく気に入ってるとは思ってたし。
邪魔する隙間もなかった。
リキは頭を軽く振る。
サラサラとしたマッシュヘアが揺れた。
深く深海のような髪が、陽の光に透けて青色に見える。
リキはカフェに寄って、アイスコーヒーを買った。
それを手に持ちストローをくわえると、また歩き始めた。
「あっつ!」
まだまだ本格的な夏はこれからなのに。
なんかこの暑さにもイライラしてきたぞ。
通りすがりに、仲良くスマホを見てる男女。
あ、あいつらは恋人繋ぎしてる。
なんだよイチャイチャしてっ!
街の中、目につくのは恋人同士ばかり。
リキはストローを噛んだ。
僕なんて、今1番売れてるアーティスト
kickthroughのイケメンギタリストだぞ!
シオンより6つも歳下の若いイケメン22歳なんだぞ!!
顔はイイ、声はイイ、優しい、甘え上手
僕が笑って甘えればだいたいなんでも許される!
てか僕、別にモテるから。
うん、そういうことじゃない。
そこまで頭の中で並べてみて、ため息が出た。
シオンは楽しそう。
モモちゃんも幸せそう。
「……なんっか、つまんない!」
リキはもう何もかも面白くなかった。