年下わんこの本当の姿は俺様腹黒御曹司でした〜契約恋人のはずが執着されています〜
あの日からぐっと距離は縮まり、誰もいない時を狙って司は二人きりになろうとする。
契約恋人になったものの、すずは好意はあるが恋愛ではなく親愛の方だったので、まあいいかと気にすることはなかった。
ことなかれ主義でもあり、めんどくさがりでもあったのだ。
それから数日後、司からメッセージがきた。それは、両親にすずを恋人として紹介するという話だった。司が話を振るから、それに対して頷いておけばいいらしい。
その日の夜、仕事終わりに司に捕まり車に乗せられた。一目で分かる高級車はふかふかのソファーでお尻が痛くなかったのはありがたいが、どうにも居心地が悪い。
司はハイブランドの店へ行くとだけ言い、すずを乗せて車は走り出した。
「そんな高いところ行ってもお金出せないよ!?」
「誰が出せって言ったよ、俺が払うからすずは気にするな」
「高価なものなんて受け取れないよ」
「いいから黙って俺の言うことは聞けって。おまえは俺の恋人なんだから」
はっきりと恋人と言われ、すずはときめいてしまった。こんなに横暴なのに、連れ出される時はすずの予定があるかどうか確認して、何もないことを知ると車まで案内されたのだ。
そういう優しさを持つ司を好意的に見ていたが、それだけでは済まなさそうだ。
店に着くと、司にあれこれ服を渡されて試着させられた。
汚すわけにはいかないので、丁寧に扱うことしかできない。
最後に着たワンピースドレスはすずも気に入った可愛らしいものだった。
ドレスは紺色で落ち着いた雰囲気を見せつつも、フリルが着いているから可愛らしく演出している。ヒールはベージュの品がある革靴なので光沢がありつやつやしている。
まるでお嬢様にでもなった気分だ。
それを見た司は「悪くないな」と言って、ヒールと合わせてそのまま会計を進めた。
すずは値段を知らなかったので、合計金額を見て倒れそうになる。
こんなに高いものは絶対買わないし、それをためらいなく買うのはどうしても気が引ける。
車に戻ってから「やっぱり受け取れないよ」と小さな声で反抗すると、司は「本当に分かってないんだな」と嘆息した。
「それはすずに似合ってるから買ったんだよ。おまえ、自分を卑下しすぎ。すずは可愛いんだからもっと自分を好きになれよ」
「私が、可愛い?」
「そうだよ、すっげー可愛い」
クールに言い切ったと思えば、耳が赤くなっている。それを指摘したら、司は「ああ、クソ!」と髪を掻きむしった。
「かっこつかないがはっきり言うわ。俺、すずのこと一目惚れしてたんだよ。女っ気なくても何に対しても一生懸命で、俺が御曹司だって知ってもなにもねだってこなかっただろう? そういう素直でいじらしいところ、めちゃくちゃ好きだ。だから、本当の彼女になって欲しい」
思ってもいなかったことをつらつらと言われ、すずはうろたえることしかできない。司から女として見ていることを告げられ、あまつさえ告白ときた。こんなの、どうしろというのだ。
「そ、それなら最初から普通に彼女になってって言えばよかったじゃない!」
「言ったら相手にしてくれたか?」
「え?」
「今まではそれで成功してたよ。でも、すずは男に興味ないだろう? だから、敢えてあんな言い方したんだ。そうでなければすずの気を引けないと思ったからな」
言われた通り、確かにすずは男なんてどうでもよかった。生きていくのに必要と感じなかったし、あまりいい思いをしたことがなかったのも起因している。
それでも、こうして直接アタックして思いの丈をぶつけてくれる男性はいなかったので、ガードしていた心は簡単にぐらついてしまう。
「そんなに私のことが好きなの……?」
「ああ、好きだ。誰よりも愛してる」
「……私、司くんに好かれるほどの人間じゃないよ」
「俺の気持ちを疑うのはいいが、なかったことにするのはやめてくれ。いくらすずでも、さすがに傷つく」
「ご、ごめん! ……ねえ、今日の私、可愛いかな?」
勇気を出して聞いてみた。
すると、司は柔らかく微笑んで優しくすずの髪を撫でた。
「誰よりも可愛いよ、すず」
とろけた笑みを向けられ甘い言葉を囁かれたら、好きになってしまうではないか。
「……ねえ、司くんのこと、好きになってもいい?」
「落ちてこいよ、すず」
「ずるい。そんな風に言われたら、もうだめっめ言えないよ……」
近づく顔に抗えない。すずは目を閉じて受け入れた。柔らかくしっとりした感触が唇に触れる。食む唇はくすぐったくて気持ちいい。入ってくる舌は決して嫌ではなくて、舌同士を擦り合わせて気持ちよくてたまらない。
上がる呼気は苦しくない程度に合わせてくれるのがありがたかった。
「その服、今週末父さんとの会食で着てこいよ」
「分かった。司くんのお父さんってどんな人?」
「普通の人だよ」
「ええ? そうなの?」
「そう、だから構える必要はないよ」
「……うん、ありがとう」
契約恋人になったものの、すずは好意はあるが恋愛ではなく親愛の方だったので、まあいいかと気にすることはなかった。
ことなかれ主義でもあり、めんどくさがりでもあったのだ。
それから数日後、司からメッセージがきた。それは、両親にすずを恋人として紹介するという話だった。司が話を振るから、それに対して頷いておけばいいらしい。
その日の夜、仕事終わりに司に捕まり車に乗せられた。一目で分かる高級車はふかふかのソファーでお尻が痛くなかったのはありがたいが、どうにも居心地が悪い。
司はハイブランドの店へ行くとだけ言い、すずを乗せて車は走り出した。
「そんな高いところ行ってもお金出せないよ!?」
「誰が出せって言ったよ、俺が払うからすずは気にするな」
「高価なものなんて受け取れないよ」
「いいから黙って俺の言うことは聞けって。おまえは俺の恋人なんだから」
はっきりと恋人と言われ、すずはときめいてしまった。こんなに横暴なのに、連れ出される時はすずの予定があるかどうか確認して、何もないことを知ると車まで案内されたのだ。
そういう優しさを持つ司を好意的に見ていたが、それだけでは済まなさそうだ。
店に着くと、司にあれこれ服を渡されて試着させられた。
汚すわけにはいかないので、丁寧に扱うことしかできない。
最後に着たワンピースドレスはすずも気に入った可愛らしいものだった。
ドレスは紺色で落ち着いた雰囲気を見せつつも、フリルが着いているから可愛らしく演出している。ヒールはベージュの品がある革靴なので光沢がありつやつやしている。
まるでお嬢様にでもなった気分だ。
それを見た司は「悪くないな」と言って、ヒールと合わせてそのまま会計を進めた。
すずは値段を知らなかったので、合計金額を見て倒れそうになる。
こんなに高いものは絶対買わないし、それをためらいなく買うのはどうしても気が引ける。
車に戻ってから「やっぱり受け取れないよ」と小さな声で反抗すると、司は「本当に分かってないんだな」と嘆息した。
「それはすずに似合ってるから買ったんだよ。おまえ、自分を卑下しすぎ。すずは可愛いんだからもっと自分を好きになれよ」
「私が、可愛い?」
「そうだよ、すっげー可愛い」
クールに言い切ったと思えば、耳が赤くなっている。それを指摘したら、司は「ああ、クソ!」と髪を掻きむしった。
「かっこつかないがはっきり言うわ。俺、すずのこと一目惚れしてたんだよ。女っ気なくても何に対しても一生懸命で、俺が御曹司だって知ってもなにもねだってこなかっただろう? そういう素直でいじらしいところ、めちゃくちゃ好きだ。だから、本当の彼女になって欲しい」
思ってもいなかったことをつらつらと言われ、すずはうろたえることしかできない。司から女として見ていることを告げられ、あまつさえ告白ときた。こんなの、どうしろというのだ。
「そ、それなら最初から普通に彼女になってって言えばよかったじゃない!」
「言ったら相手にしてくれたか?」
「え?」
「今まではそれで成功してたよ。でも、すずは男に興味ないだろう? だから、敢えてあんな言い方したんだ。そうでなければすずの気を引けないと思ったからな」
言われた通り、確かにすずは男なんてどうでもよかった。生きていくのに必要と感じなかったし、あまりいい思いをしたことがなかったのも起因している。
それでも、こうして直接アタックして思いの丈をぶつけてくれる男性はいなかったので、ガードしていた心は簡単にぐらついてしまう。
「そんなに私のことが好きなの……?」
「ああ、好きだ。誰よりも愛してる」
「……私、司くんに好かれるほどの人間じゃないよ」
「俺の気持ちを疑うのはいいが、なかったことにするのはやめてくれ。いくらすずでも、さすがに傷つく」
「ご、ごめん! ……ねえ、今日の私、可愛いかな?」
勇気を出して聞いてみた。
すると、司は柔らかく微笑んで優しくすずの髪を撫でた。
「誰よりも可愛いよ、すず」
とろけた笑みを向けられ甘い言葉を囁かれたら、好きになってしまうではないか。
「……ねえ、司くんのこと、好きになってもいい?」
「落ちてこいよ、すず」
「ずるい。そんな風に言われたら、もうだめっめ言えないよ……」
近づく顔に抗えない。すずは目を閉じて受け入れた。柔らかくしっとりした感触が唇に触れる。食む唇はくすぐったくて気持ちいい。入ってくる舌は決して嫌ではなくて、舌同士を擦り合わせて気持ちよくてたまらない。
上がる呼気は苦しくない程度に合わせてくれるのがありがたかった。
「その服、今週末父さんとの会食で着てこいよ」
「分かった。司くんのお父さんってどんな人?」
「普通の人だよ」
「ええ? そうなの?」
「そう、だから構える必要はないよ」
「……うん、ありがとう」