【試し読み】転生公女は任期満了に伴い家族の元に帰らせていただきます~役立たずと捨てられましたが、『星詠み』は国を守る希少スキルですよ?~
 わたしには、前世の記憶がある。
 わたしはノストラダムスが人類滅亡を予言した一九九九年に生まれた。
 そのせいなのかどうなのかわからないけど、わたしは物心つく頃から星占いが好きで、中学に上がる頃には星占いから占星術へと興味が移った。
 一口に占星術と言っても様々な種類がある。
 西洋占星術、インド占星術、あとはそれらを占星術師本人たちが独自で研究して派生したもの。それこそあげればきりがないくらいにある。
 わたしは別に占星術師になりたかったわけではないけれど、これらの本を読むのは好きだった。友達の運勢を占ったりもした。
 だからなのだろうか。
 大学在学中、就活の面接に向かう先で事故に遭い命を落としたあと、転生した先で「星詠み」なんて特殊なスキルを手に入れたのは。
 ……スキル発現と同時に前世の記憶を思い出すとか、前世の趣味が関係しているとしか思えないわよねえ?
 とはいえ、前世は前世。わたしはわたしだ。
 記憶を持っているとはいえ、やはりわたしは前世のわたしと同一人物ではない。ジーナとして生きた記憶もちゃんとわたしに融合していて、記憶があるだけの別人だ。
 ……だからこそ、わたしは自分の家族や大好きな人のために生きたいのよ。
 ウィーデル国にいることこそが、家族や国のためになることだと思って耐えてきた。けれど、今日からそれも変わる。
 わたしが朝食を取り終えると、メイドがあいた食器をワゴンに乗せる。
 そして、メイドが部屋から出ようとした、その時だった。
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