文久3年の壬生で。

令和8年壬生で

夏の生ぬるい風が頬をなでる7月
こんな暑い中、今自分がいるの京都壬生

何故こんなところにいるのか、それは明確

大好きな新選組の聖地をめぐりにきたのだ
友達と2人で京都を回ると、お目当ての壬生寺が出てきた
昔は大砲をぶっぱなしていて住職さんを困らせたという話や、ここで沖田総司が子供と遊んでいた話が有名だろう

新選組のファンからすれば、ここは聖地というよりも
聖域と思っている。まあ個人差はあるが

案内してくれていた方は
「ここで沖田総司が子供と遊んでいたといわれていますね」
その言葉だけで僕は大きくむせた
友達は
「すみません、こいつ沖田総司好きで」
とてもとてもヲタクすぎると言いたいほどの冷たい目線を向けられた

芹沢鴨のお墓もあるとのことだったので
初めて訪れた僕はしゃがみこんで手を合わせた。

生ぬるい風が頬を撫でていたはずなのに
その瞬間だけ静寂に包みこまれたような、不思議な感覚
少し風の温度が低くなったようにも感じた

木影であるからか、思いながらも墓石を改めて見ると
「なんでストゼロ....」
ストゼロや瓶のお酒がお供えしてあった
うん。酒豪だったしな、女遊び大好きだったからな仕方ないね

自分でも微笑んだのがわかるくらいだった

さて、次は八木邸にでも行って、立ち上がった瞬間
「貴方、どちらさまですか」
背後から少し若い男性の声が聞こえた

どちら様???何を言っている
ここには新選組が好きな人から観光客まで色々な人が来ているのになにを言っているんだよ
振り返ると

袴姿に、少し高めのポニーテール。
腰には脇差、刀も帯刀している
なんだコスプレか?明らかに自分の眉間に皺が寄った。

「それにその恰好、、、西洋の??」

「いや、え、普通に西洋というより日本の、、?」

「はい?」

彼は刀にそっと手をかけて眉間に皺を寄せていた

「いやあ、ただの新選組ヲタクなんですけど」
「ヲタク?」
そっと刀を抜かれた

分かる自分には分かる。今まで様々な刀剣を見てきた
本物だ。それだけ分かった
ただこのご時世にその刀身、銃刀法違反じゃないのか???

法律を頭の中で巡らせ携帯にそっと手をかけると-圏外-
あほたわけ、意味が分からない

いいや、逃げよう
引きこもりの体を一生懸命動かし走り壬生寺の門を走り抜け表に出ると

何かが違う
「電柱ない...車も、ない。」
つぶやいてしまうほど異常だった、時代劇ではあるまい
こんなセット作れるテレビ会社は今時いないだろう
どうせ映像でどうにでもなってしまう世の中、、、、だよな?

表で立ち尽くしていると
後ろから殺気というにはおこがましいほどの圧を感じた。

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