冷静な天才外科医の弱点は、私でした



 今日の会議で変更になった部分には、赤ペンで印をつけていく。

 ようやく半分ほど整理したところで、


「仲山さん」


 背後から声がした。


「……っ」


 振り返ると、宗形先生が戻っていた。

 すぐ近くに美形がいると、心臓に悪い……。


「先生、まだ帰ってなかったんですか?」

「少し確認したいことがあって」

「確認したいこと、ですか?」

「はい」


 彼は手にしていた資料を私の机へ置いた。


「さっきの計画案ですが」

「はい」

「ここ」


 形の良い指先が、一枚のページを示す。


「連携先の選定理由を、もう少し詳しく知りたいです」


 私は資料を引き寄せた。


「この施設についてですか?」

「そうです」

「設備と人員、それから現在の心臓血管系の患者数を比較しています」


 私は説明を始め、宗形先生は黙って聞いている。

 会議中と同じで淡々とした顔だ。

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