冷静な天才外科医の弱点は、私でした
第一便も届き、必要な血液が手術室へ運ばれた。
それを最後に、私は時計を見るのをやめた。
あとは、宗形先生に任せるしかない。
「やったね」
千春が声をかけてきた。
額に汗が滲んでいる。
「私たちの仕事はここまでだね」
「うん、あとは現場の先生たちが頑張ってくれる」
私はへたり込むように椅子に座った。
「終わったら先生に声かけに行ったら?」
「……他の仕事が片付いてたらね」
「そのくらい、私に任せてよ」
千春が大げさに胸を叩くので、私は思わず笑ってしまった。
それから半日、どこかすっきりした気持ちで仕事をキリのいいところで終わらせて、私は手術室へと足を向けた。
手術室の扉は開いている。
「終わりました」
私は晴れやかな看護師さんにゆっくり近づく。
「患者さんは?」
「安定しています」
「……よかった」
それだけだった。