縁綴り~御曹司は五年越しの妻を愛でる~
その後、諏訪元家は堅実な経営を続け、現在のような大企業に成長したという。
そして諏訪元家は代替わりをしても創業者が受けた多大な恩を忘れず、緑松家が窮地に陥った際には必ず助けることを誓い、また約束の証として将来お互いの子孫を婚姻させようと取り決めたそうだ。
ところがお互いに同性しか誕生しなかったり、年齢差が大きすぎたりという偶然が幾重にも重なり、約束は果たされなかった。
そして時が過ぎ、緑松家には母が、諏訪元家には後継者となる息子がほぼ同時期に誕生した。
両家の親類たちは大変喜び、一応本人同士の気持ちを尊重しようと言いながらも半ば強制的に将来の婚姻が取り決められていた。
とくに諏訪元家は恩を返したい気持ちが強かったらしい。
約束の婚姻は成立しなくとも諏訪元家と緑松家の付き合いは長く、友好的な関係を続けていた。
今や日本どころか世界にも名をとどろかせる大企業にまで成長した諏訪元グループは、自身の傘下ホテルや飲食店、百貨店に緑松家の製品を多く採用してくれていた。
過去とは立場が逆転しているにもかかわらず、諏訪元グループは緑松製薬を重要な取引先として大切に取り扱ってくれていたという。
そして緑松製薬は諏訪元グループに感謝し、真摯に対応して良好な関係を築いてきた――母が駆け落ち婚をするまでは。
そして諏訪元家は代替わりをしても創業者が受けた多大な恩を忘れず、緑松家が窮地に陥った際には必ず助けることを誓い、また約束の証として将来お互いの子孫を婚姻させようと取り決めたそうだ。
ところがお互いに同性しか誕生しなかったり、年齢差が大きすぎたりという偶然が幾重にも重なり、約束は果たされなかった。
そして時が過ぎ、緑松家には母が、諏訪元家には後継者となる息子がほぼ同時期に誕生した。
両家の親類たちは大変喜び、一応本人同士の気持ちを尊重しようと言いながらも半ば強制的に将来の婚姻が取り決められていた。
とくに諏訪元家は恩を返したい気持ちが強かったらしい。
約束の婚姻は成立しなくとも諏訪元家と緑松家の付き合いは長く、友好的な関係を続けていた。
今や日本どころか世界にも名をとどろかせる大企業にまで成長した諏訪元グループは、自身の傘下ホテルや飲食店、百貨店に緑松家の製品を多く採用してくれていた。
過去とは立場が逆転しているにもかかわらず、諏訪元グループは緑松製薬を重要な取引先として大切に取り扱ってくれていたという。
そして緑松製薬は諏訪元グループに感謝し、真摯に対応して良好な関係を築いてきた――母が駆け落ち婚をするまでは。


