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第二話 知らぬが仏
──チリンチリン。
何日か経ったある日、満月の夜が訪れた。
「いらっしゃいませ。……まあ、どうしたの?寒いのかしら。どうぞ入って」
もじもじしている女の子に、夜月は優しく声をかける。
「ありがとう、お姉ちゃん……」
夜月はティーカップに紅茶を注ぎ、クッキーをお皿に盛った。
「わぁぁ、美味しい!元気、出ました」
口ではそう言っても、この少女はどこか元気が無い。
これくらいの年では悩みが多いのは分かっているが、夜月は心配でいてもたってもいられなくなった。
「あなた、辛いの?言わなくても良いけど、言えるようになったら教えて。待ってるから」
愚かな人には怖いほど冷たい夜月だが、弱いものいじめは許さない!の精神なのだ。
「……お姉ちゃんに、迷惑かけちゃうかもしれないけど……話しますね」
少女は弱々しく微笑み、言葉を続けた。
「私は、クラスの……自分で言うけれど、中心的存在だと思います。華やかだし、恋も出来るし、友達も多いし。でも。でもっ……、私が言うこと全部、自分の言葉じゃなくって。考えて考え抜いて、それらしいことを言ってるんです」
ああ。
夜月は思った。
(私も分かる気がする……かな。一時期、劇の台本に書かれてる決められた台詞を棒読みするみたいに話していた時があったわ)
「嘘、吐いてるかもしれなくて。気付けないけどいつの間にか吐いてる嘘って、あるじゃないですか。そしたら」
少女の声が掠れ、ぱっちりした大きな瞳から一粒涙がこぼれ落ちた。
「『あの子ってさ』『分かる分かる』。私に向けて言ってるみたいなんです。でも、なぜか、怪奇現象なのか分からないんですけど、みんなが私をどう思ってるか、そこの部分だけ聞こえなくなってて……。」
【作者より】
今日は一旦これで終わりとさせていただきます。また今度、続きを執筆してまいりますのでお楽しみに!
何日か経ったある日、満月の夜が訪れた。
「いらっしゃいませ。……まあ、どうしたの?寒いのかしら。どうぞ入って」
もじもじしている女の子に、夜月は優しく声をかける。
「ありがとう、お姉ちゃん……」
夜月はティーカップに紅茶を注ぎ、クッキーをお皿に盛った。
「わぁぁ、美味しい!元気、出ました」
口ではそう言っても、この少女はどこか元気が無い。
これくらいの年では悩みが多いのは分かっているが、夜月は心配でいてもたってもいられなくなった。
「あなた、辛いの?言わなくても良いけど、言えるようになったら教えて。待ってるから」
愚かな人には怖いほど冷たい夜月だが、弱いものいじめは許さない!の精神なのだ。
「……お姉ちゃんに、迷惑かけちゃうかもしれないけど……話しますね」
少女は弱々しく微笑み、言葉を続けた。
「私は、クラスの……自分で言うけれど、中心的存在だと思います。華やかだし、恋も出来るし、友達も多いし。でも。でもっ……、私が言うこと全部、自分の言葉じゃなくって。考えて考え抜いて、それらしいことを言ってるんです」
ああ。
夜月は思った。
(私も分かる気がする……かな。一時期、劇の台本に書かれてる決められた台詞を棒読みするみたいに話していた時があったわ)
「嘘、吐いてるかもしれなくて。気付けないけどいつの間にか吐いてる嘘って、あるじゃないですか。そしたら」
少女の声が掠れ、ぱっちりした大きな瞳から一粒涙がこぼれ落ちた。
「『あの子ってさ』『分かる分かる』。私に向けて言ってるみたいなんです。でも、なぜか、怪奇現象なのか分からないんですけど、みんなが私をどう思ってるか、そこの部分だけ聞こえなくなってて……。」
【作者より】
今日は一旦これで終わりとさせていただきます。また今度、続きを執筆してまいりますのでお楽しみに!


