ラウル、パラレルワールドに行く!
前世でも関わりがある。そうラウルが言いかけた刹那、不思議そうなルーチェの肩に止まっていた八咫烏が口を開いた。

『主人。この者はこの世界の住民ではありません』

「えっ?どういうこと?転生者?」

小声でルーチェが返す。八咫烏の黒い瞳が、ラウルとケイを捉えた。

『この者は恐らく、パラレルワールドから来たのでしょう。そしてあの猫は、この者の呪具の化身です。この世界の者と匂いが違うからわかる』

パラレルワールドという単語を知っているルーチェは「えっ!?」と声を上げ、単語を知らないクラルは首を傾げている。ルーチェがパラレルワールドについて説明すると、クラルは「そんな世界が……?」と不可思議そうにラウルとケイを見つめる。

「ねぇ、ケイ。八咫烏の言葉、本当だと思う?」

『主人をあの二人が知らない時点で、それは明白では?』

震える声でラウルが訊ねた言葉は、ケイにあっさりと切り捨てられた。本当にパラレルワールドなのか、とラウルは緊張を覚えながらルーチェとクラルを見る。
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