恋の模範解答を教えて~年下君の甘い執着に落とされまして~【完結】
「なら、もう少しだけゆっくりしましょう」
「いや! 一旦、自分の部屋に帰るよ。だって、昨日と同じ服でそのまま出社するのは……さすがにちょっと……」
「そうですか。…分かりました。でも、今度からは和香さんの服とか着替え、いろいろこっちに持ってきて置いておいてくださいね」
「……」

 服の始末まで完璧に済ませていた手際良さに感心しつつも、帆高の屈託のない笑顔の奥に逃げ道を塞ぐような確固たる“圧”を感じて、和香は曖昧に頷くことしかできない。

「一緒に住むのも、いいですよね」
「え!?いや、それは……っ」
「俺は和香さんと一生一緒にいるつもりですよ」
「それは、……ありがとう」

 当然のように将来を語る真っ直ぐな瞳に気圧されながらも、和香はバスルームへ向かい、シャワーを浴びて身支度を整えた。
 さすがにメイク道具までは揃っていなかったため、やはり一度自宅へ戻ることにしたのだが、「次からはメイク道具も含めて、全部ここに置いておけばいいんですよ」と何度も真顔で押され、和香も(確かにその方が楽なのかな……)と次第に思考を誘導されそうになっていく。

 やがてテーブルを挟み、帆高が手際よく作ってくれたシンプルな朝食に向かい合った。
 パンを口に運びながらふと顔を上げると、向かいの席から帆高がじっと熱を孕んだ視線を送ってきていることに気づく。
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