恋の模範解答を教えて~年下君の甘い執着に落とされまして~【完結】

「あなたと一緒にいたい。ただそれだけの理由で、私はこんな子供じみた嘘をつき、あなたをここに誘った。…私自身、自分の中に芽生えたこの感情の正体が知りたかったのかもしれません。これが、人を“好きになる”ということなのだとしたら…酷く惨めで、救いのないものだ」

 夜景の光を受け、神楽坂の瞳が一瞬だけ切なく揺れた。

 政略結婚の駒として、あるいは都合のいい所有物として自分を見ていたと思っていた男の、あまりにも不器用で痛々しい初恋の告白に和香は、言葉を失い、固まったまま神楽坂を見つめることしかできなかった。
 出された食事は、当然美味しかったのだろう。
けれど、突然すぎる予想外の相手からの告白に激しく動揺してしまい、口に運んでも何の味も感じられなかった。

 何よりイラっとしたのは、告白をしてきた当の本人である神楽坂の方が、相変わらずどこか余裕のある表情を浮かべていることだった。
こちらだけが一方的に揺さぶられ、手のひらの上で転がされているような感覚がどうにも腹立たしい。
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