恋の模範解答を教えて~年下君の甘い執着に落とされまして~【完結】
「帆高君……どういう、こと?」
部長が去り、静まり返るフロアの中で、和香はたまらず帆高の元へ駆け寄った。
帆高はわずかに口を開き、一瞬だけ何かを躊躇うような素振りを見せたが、すぐに腹を括ったように和香の目を見つめ直した。
「今まで黙っていてすみません。実は俺、この会社の会長の息子なんです。正確には実子ではなく、幼少期に引き取られた養子ですが」
「え…?そ、そうなの……?」
「はい。隠していたのには理由があるんです。幼い頃に両親を亡くした俺を、会長は後継者候補として引き取ってくれました。でも、何の実力もないうちから親の威光で後継者扱いされることには、ずっと抵抗がありました。七光りだけで上に立てば、本当に実力のある社員たちのやる気を削ぎ、離職に繋がってしまう。それは会社にとって大きな損失ですから。俺がその器に相応しいかどうかは、バックボーンを隠した状態で周囲に判断してもらうのが筋だと思ったんです」
「…そんな理由があったなんて……」
「和香さんには俺の全部を知っていてほしかったんですけど…。マネジメント試験に合格するまでは公表しないと約束していたんです。ずっと言えなくてごめんなさい」
「……帆高君」
部長が去り、静まり返るフロアの中で、和香はたまらず帆高の元へ駆け寄った。
帆高はわずかに口を開き、一瞬だけ何かを躊躇うような素振りを見せたが、すぐに腹を括ったように和香の目を見つめ直した。
「今まで黙っていてすみません。実は俺、この会社の会長の息子なんです。正確には実子ではなく、幼少期に引き取られた養子ですが」
「え…?そ、そうなの……?」
「はい。隠していたのには理由があるんです。幼い頃に両親を亡くした俺を、会長は後継者候補として引き取ってくれました。でも、何の実力もないうちから親の威光で後継者扱いされることには、ずっと抵抗がありました。七光りだけで上に立てば、本当に実力のある社員たちのやる気を削ぎ、離職に繋がってしまう。それは会社にとって大きな損失ですから。俺がその器に相応しいかどうかは、バックボーンを隠した状態で周囲に判断してもらうのが筋だと思ったんです」
「…そんな理由があったなんて……」
「和香さんには俺の全部を知っていてほしかったんですけど…。マネジメント試験に合格するまでは公表しないと約束していたんです。ずっと言えなくてごめんなさい」
「……帆高君」