恋の模範解答を教えて~年下君の甘い執着に落とされまして~【完結】
 和香の頭の中で、いくつものパズルのピースが繋がっていく。
そういえば、彼の社内履歴にはなぜか空白の期間があった。

 詳細を尋ねてもどこかはぐらかされていたため、ずっと胸の奥に小さなモヤモヤを抱えていたのだが…すべてはこのためだったのだ。
 驚いていたのは和香だけではない。成り行きを見守っていた周囲の社員たちも、開いた口が塞がらない様子で立ち尽くしていた。
帆高はそんな周囲に向かって軽く頭を下げると、粛々と声をかけた。

「皆さん、お騒がせしてすみませんでした。仕事に戻りましょう」
「そ、そうだよね……私も、仕事に戻らないと」

 和香が混乱を残したまま自席へ戻ろうとすると、帆高は彼女の背中に向けて、フロア全体に聞こえるような明確なトーンで付け加えた。

「それから、和香さんの写真を社内に流出させた件ですが、誰の仕業なのかはログを辿ればすぐに判明します。社内ネットワークの私物化および悪質な誹謗中傷として、然るべき処分が下されるはずです」
「……っ」

 気配を消すように背を向け、こっそりその場を立ち去ろうとしていたののかの体が、ビクッと跳ね上がった。
 ゆっくりと振り返ったその顔は青ざめ、悔しさと恐怖で酷く引き攣っている。
 自業自得の結末に、もう彼女を庇う者はフロアのどこにもいなかった。
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