恋の模範解答を教えて~年下君の甘い執着に落とされまして~【完結】
 男は和香の身体から勢いよく引き剥がされ、そのまま床へと崩れ落ちて悶絶した。
 さっきまでの余裕を完全に失った菜子は、血の気を引きかせ、「なんで……どうして帆高くんがここに……」とがくがくと膝を震わせている。
帆高は倒れた男には一瞥もくれず、すぐさまソファーの上で震える和香のもとへ駆け寄ると、壊れ物を扱うように、けれど力強くその華奢な身体を抱き寄せた。

「遅くなってすみません、和香さん…実は、彼女の動きが不穏だったため、秘書に密かにマークさせていたんです」
「え……っ?」

 恐ろしい目に遭わせたことへの後悔と怒りを滲ませながら、帆高は一層強く和香を抱きしめる。

「出張先で宿泊する予定だったんですが、菜子さんがあなたに接触したと報告を受けて、居ても立ってもいられずトンボ帰りで戻ってきたんです」
呼吸を乱しながらそう説明する帆高の腕の中で、和香の目から大粒の涙が溢れ出した。
「よかった……っ、帆高くん……っ」

 安堵のあまり涙を流す和香を、帆高は壊れものに触れるように、けれど二度と離さないと言わんばかりの強い力で抱き締めた。そしてすぐさまスマートフォンを取り出すと、躊躇いなく警察へと通報を入れた。



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