恋の模範解答を教えて~年下君の甘い執着に落とされまして~【完結】
その様子を目にして、血の気を引きさせた菜子が狂ったように叫び出す。
「待って!帆高くん、待ってください!これには訳があるのです、私、ただ帆高くんと一緒になりたくて……っ!」
「黙れ」
帆高の口から発せられたのは、これまで聞いたこともないほど低く、氷のように冷徹な一言だった。怒りに震える瞳で菜子を射抜き、容赦なく言い放つ。
「あなたがやったことは、立派な犯罪です。俺はあなたを絶対に許さない。あなたのご実家とも、久東家および東和商事として金輪際一切の関わりを断ち切ります。二度と俺たちの前に姿を現さないでください」
「そ、そんな…帆高くん、お願い、捨てないでください…っ、う、うう…」
完全な絶縁を通告され、菜子はソファーに崩れ落ちて狂ったように泣きわめいた。だが、帆高は一瞥すらせずに震える和香を優しく抱きかかえてその場を後にした。
菜子とその男は警察に引き渡されたようだが、その後の彼女の様子は見ていないのでわからない。
ただ、菜子はその後、和香の前に姿を見せることはなかった。