恋の模範解答を教えて~年下君の甘い執着に落とされまして~【完結】
「休日、二人で街を歩いてるのを見たって人がいるのよ。しかも手、繋いでたって!」
「っ……そ、それは……ち、違うの!えっと、それは…」
「違うの?でも、一緒にいたのは本当でしょ?デートしてたの?」

 晴海は身を乗り出し、まるでヒットドラマの続きを詰問するようなキラキラとした瞳で和香に迫ってくる。

「だから!それは完全な勘違いだから!たまたま一緒に外出はしたけど、そんな……!」
「なーによ!一緒にお出かけしたならそういうことじゃない!だって、あの久東くんだよ?会社じゃいつも冷静で愛想笑いもしないし、告白してきた女の子も容赦なく振るって有名じゃない。……あ!でも言われてみれば、確かに久東くんって和香にだけは態度甘かったかも……」

 勝手に一人で納得した晴海は、目をハートにしながら「すごーい!和香ってば、あんな超ハイスペックな年下彼氏を捕まえてたんだ!」と、すでに決定事項のように騒ぎ立てている。

「はぁ……」

 これ以上何を言っても無駄だと悟った和香は、深くため息を吐き出すと、否定する気力すら失ってその場を後にした。

(朝からのあの変な空気は……この噂のせいだったんだ……)

 昨夜の帆高からの激しい抱擁と衝撃の告白。
その熱が冷めやらぬまま出社したというのに、まさか社内全体に二人の噂が広まっているなんて夢にも思わなかった。
この噂を流している人物は一人しか思いつかないが…。

(大丈夫……みんなすぐ飽きて、噂なんて忘れるはず……)
そう自分に言い聞かせ、努めて平静を装いながら自分のデスクへと戻った。
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