恋の模範解答を教えて~年下君の甘い執着に落とされまして~【完結】
ふと隣に目をやると、神楽坂も静かに同じ夜空を見上げていた。
「綺麗ですねぇ……」
「ええ。本当に、そうですね」
「今日は、満月みたいです」
「そのようですね」
しばしの間、静まり返った夜風の中で、二人でぼんやりと月を仰ぎ見る。
だが、次の瞬間。
(……って、ちょっと待って!神楽坂さんと二人で月なんて見上げている場合じゃないでしょ)
ハッと我に返った和香は、慌ててきりと眉を吊り上げると、神楽坂に向かって正面から対峙した。
「では!もう二度と私に連絡しないこと、そして二度とお会いしないことを強く祈らせていただきます!……あ、でも、今日はおごってもらっちゃったんだ……」
「ははっ、いいですよ。私が強引にお誘いしたのですから。…それよりも、また連絡しますから、今度はちゃんと電話に出てくださいね?」
「絶対に嫌です!」
ムッとした和香は、くるりと背を向けてヒールを鳴らし、歩き出した。
―だが、数歩進んだところでふと足を止める。
和香はもう一度くるりと振り返ると、少しだけ困ったような、素直な表情を浮かべた。
「……でも、おごってもらって……ありがとうございました。本当に、とても美味しいお料理でした。神楽坂さん、根っからの悪い人じゃなさそうだから。婚約者としてじゃなくて、普通の友人として出会えていたらよかったのに」
そう言い残すと、和香は丁寧におじぎをして、今度こそ夜の街へと歩き去っていった。
「綺麗ですねぇ……」
「ええ。本当に、そうですね」
「今日は、満月みたいです」
「そのようですね」
しばしの間、静まり返った夜風の中で、二人でぼんやりと月を仰ぎ見る。
だが、次の瞬間。
(……って、ちょっと待って!神楽坂さんと二人で月なんて見上げている場合じゃないでしょ)
ハッと我に返った和香は、慌ててきりと眉を吊り上げると、神楽坂に向かって正面から対峙した。
「では!もう二度と私に連絡しないこと、そして二度とお会いしないことを強く祈らせていただきます!……あ、でも、今日はおごってもらっちゃったんだ……」
「ははっ、いいですよ。私が強引にお誘いしたのですから。…それよりも、また連絡しますから、今度はちゃんと電話に出てくださいね?」
「絶対に嫌です!」
ムッとした和香は、くるりと背を向けてヒールを鳴らし、歩き出した。
―だが、数歩進んだところでふと足を止める。
和香はもう一度くるりと振り返ると、少しだけ困ったような、素直な表情を浮かべた。
「……でも、おごってもらって……ありがとうございました。本当に、とても美味しいお料理でした。神楽坂さん、根っからの悪い人じゃなさそうだから。婚約者としてじゃなくて、普通の友人として出会えていたらよかったのに」
そう言い残すと、和香は丁寧におじぎをして、今度こそ夜の街へと歩き去っていった。