恋の模範解答を教えて~年下君の甘い執着に落とされまして~【完結】
「キスは……されました。でも、彼女から突然、強引にされたんです。確かにあの時、誰かがドアを少しだけ開ける音がした気がしたんですが……それが和香さんだったなんて……」

 帆高は覆いかぶさった体勢のまま、和香の顔を覗き込み、強い眼差しで言葉を重ねる。

「それから、この香水の香りですけど……帰り際、すれ違いざまに強引に抱きつかれたんです。ものすごく香水の香りがしたので、和香さんにわからせるために多めの香水をつけたのかも。彼女は今までも俺に何度も告白じみたことを言ってきましたが、一度だって応じたことはありません。今後、同じように私情を挟むような言動や接触をするなら、即座にコンプライアンス部に報告し、相応の処分を受けてもらうと」
「……え?そう、なの……?」
「はい、そうです。俺が彼女なんかに靡くわけないでしょう。俺には、あなたしかいないのに。…でも、不安にさせて、泣かせてしまってすみません。……全部、俺の不注意です」
「……ふっ……ぅ……っ」

 安堵と今までの苦しさが一気に溢れ出し、和香は大人げなく声を上げて涙を流した。
 帆高は愛おしそうに和香の頬を大きな手で撫で、零れる涙を何度も指先と唇で受け止めながら、甘い声で「好きなのは和香さんだけです」と、何度も、何度も愛の言葉を注ぎ込んでくれた。

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