双恋〜大好き、でも譲れない!〜
自己紹介はあっという間に「さ行」へと進んでいく。

(次……私の番だ……っ)

緊張で手がじっとりと汗ばむ。

心臓のバクバクが止まらないまま、名前を呼ばれた。

「次、14番。涼宮千鶴」

「は、はいっ!」

勢いよく立ち上がりすぎて、派手な音を立てて椅子が後ろに引ける。

クラス中の視線が一斉に私に集まる。

「す、涼宮千鶴です……! え、えっと、趣味は読書で……あ、あの、よろしくお願いします……っ!」

噛み噛みになりながら頭を下げると、顔から火が出そうなくらい熱くなった。

(うう……絶対変なヤツって思われた……っ)

穴があったら入りたい気持ちで俯きかけた、その時。

「はいっ! 次、15番の涼宮真鶴です!」

後ろの席から、パーンと弾けるような明るい声が響き渡った。

まっちゃんが勢いよく立ち上がり、落ち込む私の肩をぽんと叩いてにっこり笑う。

「ちづちゃん緊張しすぎ〜! 皆さん、私の双子の妹です! よろしくお願いします!」

「「「おお〜っ!」」」

教室中にどっと温かい笑いが広がった。

まっちゃんの物怖じしない明るさと天真爛漫さに、さっきまでの重苦しい緊張が一気に吹き飛んでいく。

(まっちゃん……! ありがとう……!)

頼もしすぎる姉のフォローに、胸の奥で感動がこみ上げてくる。
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