俺様で冷徹なハイスペック医師は ツンデレで不器用で激甘な素顔を隠せない
「私のために……?」

​「……勘違いするな。最新の知見に目を通すのは外科医としての習性だ。お前1人のために時間を割いているわけではない」

​そっけない言葉だが、ブランケットの中でそっと葵の手を包み込んだ律の指先は、解く気など微塵もないように力強く、優しかった。

​「……だが、葵。この論文のプロトコルを使えば、退院後の再発率はかなり下がるはずなんだ……お前を少しでも、この病院のベッドに寝かせないための知識だ。俺の横で静かに俺の命令を聞いていろ」

​本をめくりながら、淡々と、しかし重厚な愛をささやく律。密やかな東屋で、2人は秋の風を感じながら静かに時間を重ねた。
< 101 / 122 >

この作品をシェア

pagetop