俺様で冷徹なハイスペック医師は ツンデレで不器用で激甘な素顔を隠せない
5話 静寂の書庫と、指先での合図
夜、特別病棟の患者へ貸出許可が出ている院内図書室の奥。
灯りが落ちた書庫の閲覧席で、葵が静かに本を選んでいると、奥のデスクでランプの光を浴びながら原書をめくっていた律が立ち上がった。
足音もなく近づいてきた律は、葵の隣に並び、本棚の原書に手を伸ばした。
「……夜間に1人で歩き回るなと指導したはずだが」
「……律先生。すみません、なかなか眠れなくて……。律先生も、ここで読書を?」
「……執刀前の文献確認だ。お前のように『眠れないから』などという甘い理由ではない」
律は冷徹な瞳で葵を見下ろしながら、葵が手に持っていた重い小説本をそっと取り上げた。
代わりに自分が読んでいた原書の横に置いた。
そして、他の誰にも見えない本棚の影で、葵の手首を静かに掴む。
灯りが落ちた書庫の閲覧席で、葵が静かに本を選んでいると、奥のデスクでランプの光を浴びながら原書をめくっていた律が立ち上がった。
足音もなく近づいてきた律は、葵の隣に並び、本棚の原書に手を伸ばした。
「……夜間に1人で歩き回るなと指導したはずだが」
「……律先生。すみません、なかなか眠れなくて……。律先生も、ここで読書を?」
「……執刀前の文献確認だ。お前のように『眠れないから』などという甘い理由ではない」
律は冷徹な瞳で葵を見下ろしながら、葵が手に持っていた重い小説本をそっと取り上げた。
代わりに自分が読んでいた原書の横に置いた。
そして、他の誰にも見えない本棚の影で、葵の手首を静かに掴む。