俺様で冷徹なハイスペック医師は ツンデレで不器用で激甘な素顔を隠せない
12章 冷徹の瞳の奥で

1話 静かな

特別カンファレンスルーム。

モニターには、葵の最新の心臓MRI、超音波エコー画像、そして心筋脱落酵素や炎症反応の推移グラフが映し出されていた。

​参加しているのは、執刀医の律をはじめ、循環器内科の担当医、担当看護師、理学療法士(PT)。

​内科医がデータを示しながら説明する。

​「——以上の通り、新プロトコル移行後の心筋浮腫は完全に消退。微小血管の攣縮兆候も認められず、運動耐容能も年齢平均値まで回復しています。内科的にも退院に支障はありません」

​会議室の視線が、上座で腕を組む律へと集まった。

​律は静かにモニターの数値をひと巡り見つめた後、ゆっくりと口を開いた。

​「……異論はない。本日をもって、一ノ瀬葵さんの外科的・内科的周術期管理の完了を認める。正式に退院許可を下す」

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