俺様で冷徹なハイスペック医師は ツンデレで不器用で激甘な素顔を隠せない
「麻酔科、カテコラミンの持続投与量を上げろ。ME、人工心肺の流量を調整」

​「先生、心筋のダメージが限界に近づいています! このままでは低心拍出量症候群(LCOS)のリスクが……!」

​助手や麻酔科医の声に、わずかな動揺と焦りが混じる。

​だが、律の漆黒の眸は一切の動揺を見せなかった。

むしろその眸は輝きを増していく。

​「動かすな。手元が狂う」

​律の低く圧迫感のある声が、一瞬で室内の空気を叩き潰した。

​「麻酔科、ボスミンの静注を追加。除細動の準備を進めろ。……第1助手、鉤の角度を維持しろ。1ミリたりとも動かすな」

​「っ……は、はい!」

​「黙って俺の手元だけを見ていろ。絶対に落とさせん」

​律の研ぎ澄まされた集中力が、手術室の空間そのものを支配していく。

​血圧が底を打ち、一刻を争うカウントダウンが進む。

その中で律の指先はむしろ加速した。

​
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