俺様で冷徹なハイスペック医師は ツンデレで不器用で激甘な素顔を隠せない
律はミリ単位のピッチで正確に縫合を続け、最後の結紮を完璧に完了させる。

​「吻合完了。……大動脈遮断を解除する。再灌流開始」

​血流が再開された葵の心臓に、小児・内部用の除細動電極(パドル)が当てられた。

​「デフィブリレーター、20ジュール、チャージ」

​「20ジュール、チャージ完了しました!」

​「離せ」

​パチン、と小さな衝撃が跳ねた。

​1秒。2秒。3秒。

​室内は静まり返った。

誰もが唾を飲み込み、モニターの波形を見つめる。

​ピピッ、ピピッ、ピピッ——

​乱れていた波形が整った。

そして力強い自脈が戻ってくる。

​「自脈再開! 血圧90の60、酸素飽和度97% 心電図波形、正常な洞調律です」

​「見事なリカバリーだ……この過酷な組織状態で、完全に吻合し切るなんて……!」

​歓声と安堵の溜息が手術室を満たした。

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