俺様で冷徹なハイスペック医師は ツンデレで不器用で激甘な素顔を隠せない
律はそっと葵の服のボタンを元通りに留め直した。

律の指先が生地に触れるたび、微かな温もりが伝わってくる。

​「……良い状態だ。過度の心筋負荷もなく、数値の揺らぎも完全に抑え込まれている」

​葵は安心したように微笑んだ。

「よかったです……。律先生、少しずつですが、ちゃんと良くなっているのを感じます」

​律は聴診器を首に掛け、少しだけ顔を背けて眉根を寄せた。

​「……勘違いするな。俺が立てた最新プロトコルと厳密な管理に従っていれば、当然の結果だ。……お前が1人で勝手に良くなったわけではない」

​「はい。先生のおかげです」

​素直になれない律の言葉に葵が小さく微笑んだ。

律は静かに葵の手を引き寄せた。

律は葵の手を自分の両手で優しく包み込んだ。

​「……だが」

​律はそのまま葵の手をそっと持ち上げた。

律は葵の手をスクラブ越しに、自分の胸元へ引き寄せた。

そこは規則正しく力強く打つ心音の位置だった。

​「……この病室で、こうしてお前の心音を確認するたび、胸の奥が騒がしくなる。主治医としての冷静さを保つのが困難になるほどにな」

​「律先生……」
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