俺様で冷徹なハイスペック医師は ツンデレで不器用で激甘な素顔を隠せない

2話 ​許されない甘さ

リハビリプログラムの段階的進級に伴い、葵はPT(理学療法士)の付き添いのもと、病棟外の廊下で慎重に歩行訓練を行っていた。

​向かい側から、数名の研修医や看護師を従えた律が歩いてくる。

律の立ち姿はどこまでも優雅で洗練されていた。

律は周囲を圧する静謐なオーラを纏っていた。

​付き添いのPTが挨拶をした。

「御堂先生、お疲れ様です」

​律は足を止めた。

律は氷のように滑らかで静かな視線を向けた。

律の言葉に荒らげた声や感情的な響きは一切ない。


だからこそ、律の言葉には絶対的な重みが宿っていた。

​「……歩行ピッチが昨日より毎分4歩速い。運動負荷の増量は二重積の安定を担保した上で行うプロトコルだ。基準値の確認を怠り、感覚でピッチを上げるのはリハビリテーションではなく単なるリスクの放置だ」

​律は淡々と、しかし寸分の弁明も許さない論理的な指摘をした。

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