俺様で冷徹なハイスペック医師は ツンデレで不器用で激甘な素顔を隠せない
だが、葵が隣に腰を下ろした瞬間、律は自分が着ていた薄手のカーディガンを脱いだ。

律は迷いのない手つきで葵の肩へと羽織らせた。

​ふわりと漂う、律の清潔な香りとほのかな体温。

​「あ……律先生、これでは先生が寒く……」

​「……黙って着ていろ。患者の体温管理も主治医の仕事だ。俺に余計な気を遣うな」

​素直に「寒くないか」と聞けない律の不器用なツンデレ。

​葵が袖にそっと手を通した。

律は葵の隣に少しだけ腰を寄せた。

膝の上に置かれた葵の手を、自分の大きな手で静かに包み込み、葵の手首の動脈にそっと指先を当てた。

律は葵の脈拍を確かめる。

​「……脈拍、血圧ともに安定しているな。……不安な波形は一切ない」

​「ふふ、はい。律先生のおかげで、毎日すごく穏やかに過ごせています」

​葵が柔らかく微笑んだ。

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