あの桜の木の下でもう一度、出逢いたい

青空と、リレーの噂

白石さんと挨拶ができるようになってから、一週間。

まだ大勢の前で上手にしゃべるのは苦手けれど、朝の「おはよう」と、帰りの「またね」は自然と言えるようになっていた。

私の小さな世界が、少しずつ広がっていく。

そのすべてのきっかけをくれたのは、言うまでもなく、あの桜の木の下のノートだった。

「佐波先輩、今日は何書いてくれたのかな……」

昼休み。お弁当を食べ終えた私は、いつものように旧校舎裏の桜の木を目指して歩いていた。

ノートを開くと、そこには勢いのある文字で、学校のイベントについての話題が書かれていた。

『みつきちゃん、順調そうで何より!
てかさ、もうすぐ体育祭じゃん?
1年生って何やるの? 台風の目? 全員リレー?
俺さー、なぜかクラスの男子に押し付けられて、ブロック対抗リレーのアンカー走らされることになったわ(笑)
マジでダルいんだけど!』

「アンカー……!?」

思わずノートの前でパチパチと瞬きをしてしまった。

ブロック対抗リレーのアンカーといえば、体育祭で一番注目を集める花形種目だ。

それを任されるなんて、やっぱり佐波先輩は足が速くて、クラスでも中心にいるような人なんだ。
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