あの桜の木の下でもう一度、出逢いたい
翌日の昼休み。

ノートを開くと、そこにはページいっぱいの大きな文字と、手描きの花マルのイラストが躍っていた。

『よくやった!!! 偉すぎる!!
みつきちゃん、めちゃくちゃ勇気出したじゃん!
声が震えたっていいんだよ。その勇気が相手に伝わったんだからさ。
ほらね、世界は思ってるより怖くないでしょ?
今日は俺がアイス奢ってあげたい気分だわー!(笑)』

「ふふっ……アイス、食べたいな」

ノートの文字を撫でながら、思わず呟いてしまう。

褒めてもらえたことが、こんなに誇らしいなんて。

佐波先輩が、私のちいさな一歩を自分のことみたいに喜んでくれている。

『アイスは気持ちだけ、ありがたく受け取っておきます。
先輩のおかげで、今日白石さんと消しゴムの貸し借りもできました。
少しずつだけど、私、前を向けている気がします』

感謝の気持ちをノートに書き込みながら、私はそっと空を見上げた。

桜の花びらが、青空に舞っている。

顔も名前も……ううん、名前は知っているけれど、どこにいるのかも分からない先輩。

でも、ノート越しに伝わってくるその温もりは、私にとってどんなリアルな言葉よりもまっすぐに届いていた。



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