加納欄の空白シリーズ35シーズン4
南署を出た覆面パトカーが、住宅街へと向かう。

運転席には大山先輩、助手席には高遠先輩。

後部座席のあたしが座っている。

3人で乗り込む時のいつもの定位置だ。

「大山先輩、被害者って男の人ですかぁ?」

「ああ。宮原俊介、四十二歳。会社員だ」

大山が手元のメモをあたしに渡してくれた。

「発見したのは妹。自宅で倒れていたらしい」

「妹さんが?」

「詳しいことは現場で聞く」

大山先輩がハンドルを切った。

「仁、そろそろ着くぞ」

マンションの前には、すでにパトカーが停まっていた。

規制線の向こうに、数人の野次馬が集まっている。

車を降りた欄は、建物を見上げた。

「結構、大きなマンションですねぇ」

高遠先輩の後について、欄はエントランスへ向かう。

そのとき、建物の脇にある階段が目に入った。

「あれ? 先輩、あの階段って……」

高遠先輩は欄の視線を追った。
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