加納欄の空白シリーズ35シーズン4
美咲さんから話を聞き終え、あたしたちはリビングへ戻った。

がんさんは、テーブルの上に置かれた手帳を調べていた。

「がんさん、それ、被害者のですか?」

「ああ。仕事用の手帳みてぇだな」

大山先輩が横から覗き込む。

「中を確認してもいいか?」

「指紋の採取は済んでる。手袋して見てくれ」

大山先輩は手袋をはめ、ページをめくった。

「会議、出張、取引先との打ち合わせ……」

高遠先輩も隣から手帳を覗き込む。

「ずいぶん几帳面な人だったみてぇだな」

「あれ? 大山先輩、そこ!」

あたしは開かれたページを指さした。

「なんだ?」

「予定のところに『空き』って書いてありますよぉ?」

大山先輩は別の日のページもめくった。

「こっちにもあるな」

「予定がないなら、何も書かなくてよくないですかぁ?」

高遠先輩が腕を組んだ。

「確かに妙だな。何か意味があるのかもしれねぇ」
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