ENFJホストは、30歳INFJフリーターの初恋でした。
その夜。
仕事を終えた蓮は、完全に酔い潰れていた。
「代表、大丈夫ですか?」
「……だいじょぶ……」
全く大丈夫ではない。
由夏はそっと、蓮の身体を支えた。
「湊さん、ありがとうございます。あとは私が」
「え、大丈夫?」
「はい」
蓮を家まで連れて行き。
靴を脱がせ。
ベッドに寝かせる。
水を用意する。
必要なものを手の届く場所へ置く。
「……」
ふと、床を見る。
洗濯物が散らばっている。
代表として、毎日。
みんなを守って。
支えて。
だけど、自分の事になると。
後回しにしてしまう人なんだ。
ならば、
少しでも。
力になりたい。
「......いいのかな」
由夏は少しだけ迷った。
部屋そのものを片付けるのは、勝手に私物へ触れることになる。
だからやめておく。
けれど。
「……これは」
洗濯物だけなら。
由夏は静かに拾い上げた。
洗濯機を回す。
洗い終わったものを干す。
乾いたものを畳む。
それから翌日の食事を考えて。
近くのスーパーへ行った。
必要な食材を買う。
そして、簡単な朝食を作る。
「……これで大丈夫かな」
時計を見る。
もう朝の3時だった。
由夏は眠っている蓮を1度だけ確認した。
「おやすみなさい、代表」
小さく頭を下げ。
部屋を出た。
°⭐︎′**⭐︎・°*⭐︎
翌日。
「……ん?」
蓮が目を覚ました。
二日酔いの頭を抱えながら起き上がる。
「……あれ?」
ダイニングテーブルに。
朝食が並んでいる。
そして。
昨日まで散らかっていた洗濯物が、綺麗に畳まれている。
「……何これ」
スマートフォンを手に取る。
湊へ電話。
『お疲れ様です』
「湊、これ誰?」
『何がですか?』
「部屋の洗濯物とか、朝飯とか」
『あぁ』
電話越しに、湊が笑った。
『由夏さんですよ』
「……」
蓮は黙った。
「……マジ?」
『昨日、由夏さんが代表を送っていって』
「……」
『全部やってくれたんじゃないでしょうか』
「……あいつ」
電話を切る。