奇怪な天才は、私の不運をゼロにする。
【第3話】奇怪な天才と学園の王子様

あの課外授業の日から、2ヶ月。
私はというと、隣の席の月島君の存在を意識せずにはいられない状況に陥っていた。

「春野、ちょっといい?」

思考の海に沈んでいた私を現実へ引き戻したのは、聞き馴染みのある爽やかな声。

そこに立っていたのは、1年生の頃から同じクラスの氷室ツバサ(ヒムロ ツバサ)君だった。

彼は2年生なのに生徒会長に抜擢され、勉強と生徒会の仕事を当たり前のように両立させている。

それだけではない。
若葉学園高等部の“ミスターコン優勝者”という肩書きまで持っていた。

同級生からはもちろん、上級生や下級生からの告白が日常茶飯事だという噂が絶えない。

月島君と毎回テストで学年1位を争っているけど、月島君とはまた違う、対極に位置するタイプの天才……。

そんな氷室君が、わざわざ私に話しかけてくる理由。
……ただ1つしか思い当たらなかった。
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