奇怪な天才は、私の不運をゼロにする。
「旧校舎の資料室、夏が終わる前に整理整頓を終わらせないといけないのは、確かこのクラスの生徒会補佐委員のはずなんだけど。全然手が付けられていないみたいだね。……間に合いそうかな?」
核心をつくその言葉に、言い訳できない。
そうだった。
私はよりによってジャンケンで負けた結果、各クラスに1人だけ割り振られる“生徒会補佐委員”という貧乏クジを引かされていたのだ。
それをすっかり忘れて、あろうことか、2ヶ月近くもの間、資料室を放置し続けてしまっていた。
「あっ、ごめん!今日の放課後から、すぐに取りかかる!」
私は、誤魔化すように言葉を返した。
「うん、わかった。もし何か困ったことがあったら、遠慮なく言ってね」
氷室君は、私の失態を責めることなく優しく微笑んで去っていった。
その完璧すぎる気遣いが、逆に申し訳なく思う。