奇怪な天才は、私の不運をゼロにする。

重い扉が閉まり、残されたのは私と氷室君の2人だけ。
沈黙を破り、先に口を開いたのは、彼だった。

「いやぁ、怒るような言い方をしてゴメン。ビックリしたよね」

そう言った彼の瞳には、先ほど月島君へ向けらていた冷たさなんか、まったく残っていない。

いつもの誰にでも優しい、王子様の目。
その急激な温度変化が、私はかえって恐ろしかった。

「あ、私こそ、ゴメンナサイ。飲食禁止なのに……」

しかし、気まずさから小さくなる私の謝罪の言葉は、途中で遮られた。

「話は聞かせてもらったよ。彼は……、月島は君のことが好きなんだね、春野柚葉さん」

氷室君の口から、予想もしていなかった言葉が私の耳へと届けられた。
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【幻星霧散】ゲンセイ ムサン 幻のように美しい星が、 霧の中に消えて見えなくなる様。 ☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆ 短編詩集です。 日常で思ったことや考えたことなどを 自由に書き綴っていきます。

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