冷遇令嬢ですが、前世の知識と先見の力で運命の王第殿下と新しい国を作ります。
プロローグ
ジャスミン二十歳は結婚式の会場で全体の進行の差配をしていたのだが、先ほどから誰かの視線が痛い。
自分の店”パーテイ承ります“の第一号のお客様のシシリー・バネストンとキンバリー・シオノラ・ドーセスターの結婚式なのだ。
失敗する訳にはいかない。
ありがたいことにここまでの半年間は彼女と親友のように気が合い懇意にしてもらってとても喜んでもらっている。
準備も順調に進み今日の結婚式を迎えることができたのだ。
船に乗って新婚旅行に出かける二人が港まで行く馬車に”結婚しました“と書いた大きなプレートを馬車の両サイドに掛けて馬車を花やリボンで飾り立ててある。
馬車を引く馬も白馬を二頭借りて来て、馬の鬣やしっぽの付け根にもリボンを付けている。
この馬車が港までの一時間半余りしっかり二人の結婚を宣伝してくれるだろう。
こんな馬車は前代未聞なので目立つ事は間違いない。
御者のデイビスも横に座るケニーもしっかり派手な衣装に身を包んでいる。
二人ともズボンはいつもの黒い乗馬ズボンだが、上着は白の長い丈での物で金モールやエポーレット(肩章)もつけて騎士の様なのだ。
編み上げブーツにズボンのすそを入れて二人ともめちゃくちゃかっこいい。
上着はケニーの母で住み込みでメイドをしてくれているマーゴが生地を買ってきて作ってくれた。
ケニーは6歳でまだ御者見習いなのだけれど。途中で休憩の時に二人に飲み物とサンドウイッチをサーブする役目なのだ。
結婚式では新郎新婦は食事をするのもままならないのはどこも同じだ。
だから途中の景色の良い所で休憩をするようにデイビスに言ってある。
そこで軽食と飲み物を出すのがケニーの役目なのだ。
ケニーは恭しくドアを開けて二人にサーブする練習を何回もやっていたので大丈夫だろう。
そんな準備もデイビスに確認すると大きくうなずいて大丈夫だと合図してくれた。
今はシシリーが花のアーチからお父様に腕を取られて庭に作った祭壇まで赤いカーペットの道を牧師様と旦那様になる人の待つところまでゆっくりと歩いている所だ。
お父様は感極まっていてずっと肩を揺らしている。
きっと泣くのを我慢されているのだろう。
シシリーも父親としっかり腕を組みながら泣くまいと必死になっているのに、待ち受ける新郎が号泣しているってどうなの?
ジャスミンは新郎にハンカチを渡そうと一歩踏み出したのだが、新郎の友人の一人なのだろう素敵な紳士がハンカチを手渡して彼の背中をばしっと叩いて気合を入れた。
何とか号泣レベルから嗚咽を漏らすレベルまで堪えられたようだ。よかった。
参列者は笑いをこらえるのに必死だ。こんなに新郎って泣くものなのか?
ジャスミンはこういう事も今度は想定しておかなければと頭の中にメモをした。
彼に気合を入れてくれたその人は、美しいシルバーブロンドの髪に真っ青な目をした美丈夫だった。
背も高くて足も長い。がっしりとした体躯ではないのに鍛えているだろう事が窺われるようなびしっとした姿勢で美しく立っていた。
彼は自分の椅子に戻るときジャスミンを見つめた。
数秒の間二人は見つめ合った。
ジャスミンは今まで感じていた視線は彼のものだったのだと知った。
彼の名前はマキシミリアン・レオルド・ホランデリア二十八歳この国ホランデリア王国の王弟殿下だ。
新郎の王立学園時代の悪友で親友だ。
彼の王立学園時代の悪友たちが今日は六人ほど結婚式に参列している。
後ほどのパーテイでも二人ほどスピーチをお願いしているのだ。
マキシミリアンはこの会場に入ってからずっとジャスミンに目を奪われていた。
ハニーブロンドの柔らかそうな髪に大きな薄いグリーンの瞳が印象的なすごい美人だ。
今日は自分が目立ってはいけないと言うようなシンプルな装いをしている。
白いブラウスに黒い裾の広がったスカートのようなズボンをはいている。
ブラウスの胸元には薄いグリーンのリボンを付けている。
そのシンプルな服が彼女の抜群のスタイルと美しさを引き立てている。
今日のジャスミン率いるアテンドチームは皆同じ服装で胸に付けたリボンの色が違っている。
彼女だけがグリーンであとはブルーとイエローが二人づつこの結婚式をたった五人で仕切っているのだ。
マキシミリアンは通りかかったブルーのリボンをした女性に
「あのグリーンのリボンをした人が、リーダーだと思うんだけど名前は?」
と聞いた。
「ジャスミンです。”パーテイ承ります“のオーナーですわ」
そう言うとマキシミリアンに手のひらサイズの店の住所や名前を書いたものをくれた。
マキシミリアンはそのカードに目を落とすと大切そうに胸のポケットにしまった。
彼はジャスミンを得るために、この後長い年月を失望と希望と喜びと裏切りに振り回されることになるのをまだ知らなかった。
ただジャスミンの姿を目で追う事が辞められなかった。
自分の店”パーテイ承ります“の第一号のお客様のシシリー・バネストンとキンバリー・シオノラ・ドーセスターの結婚式なのだ。
失敗する訳にはいかない。
ありがたいことにここまでの半年間は彼女と親友のように気が合い懇意にしてもらってとても喜んでもらっている。
準備も順調に進み今日の結婚式を迎えることができたのだ。
船に乗って新婚旅行に出かける二人が港まで行く馬車に”結婚しました“と書いた大きなプレートを馬車の両サイドに掛けて馬車を花やリボンで飾り立ててある。
馬車を引く馬も白馬を二頭借りて来て、馬の鬣やしっぽの付け根にもリボンを付けている。
この馬車が港までの一時間半余りしっかり二人の結婚を宣伝してくれるだろう。
こんな馬車は前代未聞なので目立つ事は間違いない。
御者のデイビスも横に座るケニーもしっかり派手な衣装に身を包んでいる。
二人ともズボンはいつもの黒い乗馬ズボンだが、上着は白の長い丈での物で金モールやエポーレット(肩章)もつけて騎士の様なのだ。
編み上げブーツにズボンのすそを入れて二人ともめちゃくちゃかっこいい。
上着はケニーの母で住み込みでメイドをしてくれているマーゴが生地を買ってきて作ってくれた。
ケニーは6歳でまだ御者見習いなのだけれど。途中で休憩の時に二人に飲み物とサンドウイッチをサーブする役目なのだ。
結婚式では新郎新婦は食事をするのもままならないのはどこも同じだ。
だから途中の景色の良い所で休憩をするようにデイビスに言ってある。
そこで軽食と飲み物を出すのがケニーの役目なのだ。
ケニーは恭しくドアを開けて二人にサーブする練習を何回もやっていたので大丈夫だろう。
そんな準備もデイビスに確認すると大きくうなずいて大丈夫だと合図してくれた。
今はシシリーが花のアーチからお父様に腕を取られて庭に作った祭壇まで赤いカーペットの道を牧師様と旦那様になる人の待つところまでゆっくりと歩いている所だ。
お父様は感極まっていてずっと肩を揺らしている。
きっと泣くのを我慢されているのだろう。
シシリーも父親としっかり腕を組みながら泣くまいと必死になっているのに、待ち受ける新郎が号泣しているってどうなの?
ジャスミンは新郎にハンカチを渡そうと一歩踏み出したのだが、新郎の友人の一人なのだろう素敵な紳士がハンカチを手渡して彼の背中をばしっと叩いて気合を入れた。
何とか号泣レベルから嗚咽を漏らすレベルまで堪えられたようだ。よかった。
参列者は笑いをこらえるのに必死だ。こんなに新郎って泣くものなのか?
ジャスミンはこういう事も今度は想定しておかなければと頭の中にメモをした。
彼に気合を入れてくれたその人は、美しいシルバーブロンドの髪に真っ青な目をした美丈夫だった。
背も高くて足も長い。がっしりとした体躯ではないのに鍛えているだろう事が窺われるようなびしっとした姿勢で美しく立っていた。
彼は自分の椅子に戻るときジャスミンを見つめた。
数秒の間二人は見つめ合った。
ジャスミンは今まで感じていた視線は彼のものだったのだと知った。
彼の名前はマキシミリアン・レオルド・ホランデリア二十八歳この国ホランデリア王国の王弟殿下だ。
新郎の王立学園時代の悪友で親友だ。
彼の王立学園時代の悪友たちが今日は六人ほど結婚式に参列している。
後ほどのパーテイでも二人ほどスピーチをお願いしているのだ。
マキシミリアンはこの会場に入ってからずっとジャスミンに目を奪われていた。
ハニーブロンドの柔らかそうな髪に大きな薄いグリーンの瞳が印象的なすごい美人だ。
今日は自分が目立ってはいけないと言うようなシンプルな装いをしている。
白いブラウスに黒い裾の広がったスカートのようなズボンをはいている。
ブラウスの胸元には薄いグリーンのリボンを付けている。
そのシンプルな服が彼女の抜群のスタイルと美しさを引き立てている。
今日のジャスミン率いるアテンドチームは皆同じ服装で胸に付けたリボンの色が違っている。
彼女だけがグリーンであとはブルーとイエローが二人づつこの結婚式をたった五人で仕切っているのだ。
マキシミリアンは通りかかったブルーのリボンをした女性に
「あのグリーンのリボンをした人が、リーダーだと思うんだけど名前は?」
と聞いた。
「ジャスミンです。”パーテイ承ります“のオーナーですわ」
そう言うとマキシミリアンに手のひらサイズの店の住所や名前を書いたものをくれた。
マキシミリアンはそのカードに目を落とすと大切そうに胸のポケットにしまった。
彼はジャスミンを得るために、この後長い年月を失望と希望と喜びと裏切りに振り回されることになるのをまだ知らなかった。
ただジャスミンの姿を目で追う事が辞められなかった。