冷遇令嬢ですが、前世の知識と先見の力で運命の王第殿下と新しい国を作ります。
バリャット氏の話はジャスミンがこの国の仕組みや経済の在り方を理解するのに大いに役立った。

バリャット氏もジャスミンが自分の説明や意見を自分なりに咀嚼して乾いたスポンジが水を吸収するように知識を吸収していく様子が楽しいようだった。

彼は元侯爵でこの首都にホテルを五軒持っていて、役所にも顔が利くようだ。

首都の有力者で上院議会の議員でもある。

ジャスミンは幸運な事にとても力のある人と知り合いになれたのだ。

バリャット氏にここで商会を立ち上げたいのだと言った時“どんな商会?”と言われて、“この国にはない物を作って売りたい”と言ったら、今度はバリャット氏が目を剝いて驚いていた。

そんなに驚く事?と思ったが、嫋やかに見えるジャスミンがたった一人で商会を立ち上げると言った事にもまたこの国にない物を作って売りたいと言った事にも驚いたようだ。

しかし彼はその後ジャスミンをしっかりと導いてくれた。

この国で商売をするのなら、帰化したほうが良いといってくれた。

この国の商会と外国籍の商会では会社に掛けられる税率が全然違うのだそうだ。

それだけこの国の商売は守られていると言う事だ。

帰化するのはいろんな方法があると教えてくれた。

:この国の人と結婚する事
:この国で五年働いて給金の中から税金を納める事
:銀行に三千万クレ貯金する事それは三年間出し入れできない。

ジャスミンは銀行に貯金することでこの国に帰化することにした。

バリャット氏は驚いて“三千万クレだぞ”と言った。

前世で言えば五千万円ほどになるだろう。

ジャスミンは国を出る時に世界標準の小切手として一万クレを持参している。

この国は世界標準の通貨を使っている。

ジャスミンがこの国に目を付けた理由の一つだ。

バリャット氏はすぐに銀行の頭取を紹介してくれた。

ジャスミンは銀行と言う物がこの国にある事に感動した。

ホランデリア王国には銀行という組織はなかった。

国が運営する両替所に預けるくらいしかなかったのだ。

大きな商会は独自の両替所を持っていた。

ジャスミンは頭取に一万クレの小切手を三千万と七千万に分けて口座を作って貰った。

そんな大金の小切手をどこに持っていたか聞かれてジャスミンは胸を指して下着の中と言ったら、バリャット氏も銀行の頭取も最初は目を丸くしていたが、そのうち二人とも大笑いしていた。

三千万クレは三年間は使えないと言う事なので、残りの七千万クレで商会を立ち上げなくてはならない。

そうしてバリャット氏の口添えがありジャスミンはJM・デイリーとしてハメラニア共和国の国民になった。

ここまでで二週間が過ぎた。
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