冷遇令嬢ですが、前世の知識と先見の力で運命の王第殿下と新しい国を作ります。

弟のマイケル・ベス

ベス子爵領も弟のマイケルの代になっていて、ジャスミンがホランダリア国に居を移したある日マイケルが尋ねてきたのだ。

十歳下のマイケルはまだ十九歳だった。

父親が病気で動けなくなり去年成人したと同時に領主を引き継いだと言う事だった。

父親はジャスミンの噂も成功している事も知っていたが、自分のした事を思うとジャスミンに連絡は取れないと言ったそうだ。

マイケルは自分に姉が三人いる事さえ代が変わるまで知らなかったらしい。

離れには近寄るなと言われていたこともあり、素直なマイケルは親の言いつけを守り6歳からはほとんど毎日家庭教師が来て勉強付けの日々だったらしい。

両親はマイケルを王都の学院に入れるつもりもなかったようでずっとそばに置いておきたかったのだろう。

ジャスミン達への両親の冷たい仕打ちについて謝り、厚かましいとは思うがベス領のこれからの領地経営についてアドバイスをくれないかと頭を下げにきたのだ。

これから州知事となるマイケル・ベスは若干一九歳なのだ。

家令も連れず一人で王都までやってきた若者は純粋培養されて良くも悪くも素直で誠実で人を疑う事を知らないように見えた。

この若者はしっかりした者がついていないとすぐに悪い人に騙されるのだろうなとジャスミンは思った。

ジャスミンはリリーとフレデイと一緒に会ったのだが、二人ともマイケルが三歳くらいに遠くから見ただけで、今十九歳になった弟を見てびっくりするしかなかった。

マイケルの話ではベス領はここ一~二年で宝石の鉱脈も尽きるようだ。

ベス領の一番の収入源なのだ。

それが無くなるのは確かにひどく痛手に違いない。

その近辺を探しても新たな鉱脈を見つける事は出来なかったそうだ。

宝石の収入があったからベス領の税金は安く抑えられていたのだ。

父親は結構いい領主だったのだとジャスミンは思った。

カフェでは今もベス領から直接果実や米を仕入れているし、特産品の店にはベス領の米や果物やジャガイモも置かれている。

ジャスミンは父親の見舞いも兼ねて一度ベス領に帰って領民とも話をする機会を持つことにした。

リリーもデイジーも行くと言ったので、フレデイやデイビスとサラも連れて里帰りすることにした。

なんと十年以上の時が経っていた

それぞれの子供達を合わせると子供だけで五人もいる大所帯の移動になる。

もう大きくなっているリリーとサラの第一子はマーゴとマリアとケニーにお願いしてきたのだ。

ジャスミンとデイジーの子供達もマキシミリアンとシリアスが見ていてくれる。

ジャスミン達の都合で、フレデイやデイビスも実家とは没交渉になっていたのだ。

二人共親に妻を紹介したいし孫にも会わせたいと言った。

マイケルは先に帰って皆を受け入れる用意をすると言って嬉しそうに帰っていった。

ジャスミンは離れがそのままになっているなら自分たちは離れに泊まらせてもらいたいと言った。
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