嘘つきシンデレラ〜地味男を選んだら、俺様御曹司に溺愛されました〜

(ほんと、器が広いんだか狭いんだか……)

 心の中でそう呟いたところで、朔夜がもう一言。

「甘やかすのはこれきりだからな」

 そう言って、複雑そうに眉を寄せた。

 けれどそう言いつつも、結局最後には星南の気持ちを汲んでくれることを、星南は知っている。

 強情で嫉妬深い、面倒な旦那様。それでも、それすら愛おしく感じてしまうのだから、どうしようもない。

「ありがとう。朔夜」

 「嬉しいよ」と言いながら、星南はもう一度身体を寄せる。ぎゅっと抱きしめると、それに応えるように朔夜の腕も背中へ回った。

 しかし安心したのもつかの間、身体がふわりと傾いたかと思うと、背中からソファーへ押し倒されていた。

「……え?ちょ、朔夜?」

「なに」

「いや、なに、じゃなくて……今そんな流れじゃなかったよね?」

「お前にあんな可愛い事されて、流れなんか気にしてられるか」

 言葉を終えるより先に朔夜の身体が降ってきて、首筋にちくりと痛みが走る。そのままボタンをいくつか外され、胸元へ次々と口づけを落とされる。

「ちょっ……!何してるの!?明日、ドレスの採寸があるんだけど!」

「知ってる」

「知ってるならやめてよ!」

 抗議する星南をよそに、朔夜は構うことなく痕を残していく。

「もう、朔夜!」

 たまらず身体を押し退けると、朔夜がようやく顔を上げた。その表情には、明らかに不満の色が浮かんでいる。

「お願いを聞いてやったんだ。俺にも褒美くらい寄越せ」

「え?」

 思いもよらない言葉に目を丸くしていると、朔夜は黙って星南の胸元へ顔を埋める。そのまま、じっと動かない。

 何を求められているのか分からず、星南は首を傾げる。

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