今だけの婚約者~身代わりのはずが、冷たい旦那様にお腹の子どもごと愛されていました~

プロローグ

「勘違いしないように、先に言っておく」

 冷たい声音に、感情をうかがわせないポーカーフェイス。
 怯みそうになるが、ここで逃げ出すわけにはいかないと、婚約者になった蓮(れん)さんから目を逸らさない。

「この縁談に、恋愛感情は必要ない。俺は妻という存在と、後継ぎが必要なだけだ」

 これから一緒に暮らすのだから、せめて良好な関係でいたい。そう願っていたけれど、どうやら難しいらしい。
 それでも私は、彼の言うことを聞いて、お義母様による一年間の花嫁修業を全うするのみ。
 後ろ暗いところのある私には、ひとつの反論も許されないのだから。



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