バツイチ×未経験の私は、初恋の豪腕弁護士から極甘に溺愛される
第1話:負けなしのエース
窓の外には、星空をひっくり返したような美しい夜景が広がっていた。
上質な調度品が並ぶラグジュアリーホテルのスイートルーム。部屋には艶やかなルームデュフューザーの香りが、ほんのりと満ちている。
朝比奈詩織は窓の景色を眺めた恰好のまま、長身の男ーー鷹木慧に、後ろから抱きしめられていた。
詩織の身体に巻きつく彼の腕、彼の身体にピッタリと合わせて作られたワイシャツからは、清潔な香りがする。
普段は、誰が近づくことも許さないようなどこか張り詰めた空気をまとう彼の声が、今は熱に浮かされたように潤みを帯びている。
長い指先が、詩織の頬をそっと撫で上げた。
「かわいい……緊張してる」
低く、耳の奥まで痺れるような声が鼓膜を揺らす。
これ以上ないほど甘く、それでいて詩織をどこにも逃がしたくないという熱が混じり合う声。
「んっ……」
自分ではないような声が漏れる。あまりの恥ずかしさに耐えかねて、詩織はぎゅっと瞼を閉じた。
鷹木は愛おしそうに小さく息を漏らす。
彼は後ろから詩織を抱きすくめたまま、頬にキスをした。
震える右の瞼、鼻先へと、柔らかく温かい彼の唇が、吸い付けられるように落とされる。
「いいね?」
耳元で囁かれると同時に、体がふわりと浮き上がる感覚がした。
鷹木の大きな腕が詩織の体を軽々と抱き上げ、キングサイズのベッドへと誘う。
シーツの上へ、ゆっくり下ろされる。
彼の体躯で覆い隠され逃げ場を失った詩織の首筋に、鷹木は深く、深く唇を寄せた。
吸い上げるような口づけの熱が皮膚から全身へと伝わっていく。
「ああ……ようやく、俺のものだ」
歓喜を噛み締めるような男の呟きを最後に、詩織の意識は心地よい熱の海へと沈んでいった――。
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