好きな男の子が幽霊になって会いに来た話。
* * *

そうして焼香も終わり、式は滞りなく進んでいった。

淡々と。

何事もなかったみたいに。

そして、あっという間に、最後。

遺体の拝顔。

「見たくない」と、小さく首を振るクラスメイトもいた。

顔を覆い、その場から動けない子も。

それでも、クラスの半数以上が、棺へと歩み寄っていく。

……私も、その一人だった。

足は意外なほど、ちゃんと前に進んだ。

逃げたい気持ちよりも、見なければいけない、という感覚のほうが勝っていた。

先ほどまで声を上げて泣き崩れていた、要くんのお母さんらしき女性が、

ゆっくりと、棺の中の顔にかけられていた白い布を取る。

静かに。

とても、静かに。

そこから現れたのは――

目を閉じて、眠るみたいに横たわる、要くんだった。

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