好きな男の子が幽霊になって会いに来た話。
優しい追憶
頭の中で、今までの色んな記憶が、次々と駆け巡った。
初めて、声をかけられた日。
驚きすぎて、しばらく罰ゲームか何かだと思っていた、あの日。
一緒に、お昼ご飯を食べた日。
向かいに座る要くんが、何でもない話で笑っていて、
私はただ、黙ってそれを聞いていた。
朝。
「おはよう」って、初めて、自分から挨拶した日。
放課後。
途中まで、一緒に帰った日。
何気ない雑談を交わした日。
くだらない冗談を言い合った日。
……二人で一緒に、笑い合った日。
――どの記憶の中でも、要くんは、笑顔だった。
いつも。
当たり前みたいに。
だったら。
……だったら、私も、笑ってなくちゃ、だ。
そうしないと、あの笑顔まで悲しいものになってしまう気がして。