天才料理少女は、イケメン兄弟の恋心に気づかない
ほっとしながらスクールバスに乗り、駅に向かう。



「で、久保田兄弟とはどうなった?」

「ものすごく仲良くなれたよ」

「いや……そういう意味じゃなくてだな。どっちがいいとか」

「二人とも優しいよ。春くんはいつも助けてくれるし、律くんは体調を気にかけてくれるし」

「杏が鈍いだけなのか、本当に何も生まれてないのか……」



莉子ちゃんは大きなため息をつく。

生まれるって、何が生まれるんだろう?

友情は生まれたような……生まれてる?

バスが駅に着き、改札に向かって歩いていると、反対側から見慣れた顔が歩いてくる。

友達と一緒みたいだったから、声をかけそびれていると。



「あっ、春の彼女だ」
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