天才料理少女は、イケメン兄弟の恋心に気づかない
お母さんに、「まずは手に取ってもらわないと、食べてもらえないよ」と言われた。

見た目って、くだらないって思っていたけど、入口は大事なのかもしれない。



「多分、かよ」

「杏ちゃんらしい」



そう言って、三人で笑い合った。



「さっ、明日に備えて、若者たちはさっさと帰って、早く寝てくださーい」

「千晶さんは?」



明日の集合時間は千晶さんも一緒だ。

心配になって聞いた。



「私は……ちょっと。この子たちほど、この店との思い出はないけど、この商店街は小さい頃からずっと来てた場所だからさ」



しんみりとした言葉に、目頭が熱くなる。

千晶さんに戸締りをお願いして、マリーを出た。

駅で解散かと思いきや……なぜか二人が私をマンションのエントランスまで送ってくれる。

別れ際、それぞれの手をつかまれた。



「明日、シュシュをつけて来て欲しい」

「見た目なんて関係ないっていう考えは、捨てるんだよな」

「う、うん」



二人の真剣な目に、ものすごく緊張した。
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