甘えん坊な彼氏に私だって甘えたい
「え!?」
瑠衣君の不意な発言に、青木君の顔が若干青ざめて見えた。
「ご、ごめん、青木君! 今のは気にしないでね! 部活頑張ってね」
「ああ……」
私が代わりに謝っても、彼はまだ呆然としていた。後輩に突然そんなことを言われたら、びっくりするはずだ。
私は眉をひそめたまま、瑠衣君の後ろを追いかけるようにして生徒会室を出た。
「ねぇ、瑠衣君。流石にさっきのは、後輩としてちょっと失礼じゃない?」
「え、そう?」
瑠衣君はダンボールを抱えたまま、私の方へくるりと振り向いた。
「そうよ。いくらなんだって失礼よ。さっきも言ったけど、青木君はね、陸上の大会が迫っているから忙しいの! だからサボっているわけじゃないんだよ」
「へぇ……。莉央は本当に何も知らないんだね」
少しだけ冷めたような視線に、私はどきりとした。
「え……?」
瑠衣君はすぐに表情を緩めると、再び前を向いて歩き出した。
「そんなことより、早く職員室に持っていかないと次の授業が始まるよ」
「ねぇ、待ってよー」
本当に何も知らないってどういうこと? 瑠衣君の方が何も知らないくせに……。
スタスタと歩いていく瑠衣君に、私はただついていくしかなかった。