甘えん坊な彼氏に私だって甘えたい

「え!?」


瑠衣君の不意な発言に、青木君の顔が若干青ざめて見えた。


「ご、ごめん、青木君! 今のは気にしないでね! 部活頑張ってね」


「ああ……」


私が代わりに謝っても、彼はまだ呆然としていた。後輩に突然そんなことを言われたら、びっくりするはずだ。


私は眉をひそめたまま、瑠衣君の後ろを追いかけるようにして生徒会室を出た。


「ねぇ、瑠衣君。流石にさっきのは、後輩としてちょっと失礼じゃない?」


「え、そう?」


瑠衣君はダンボールを抱えたまま、私の方へくるりと振り向いた。


「そうよ。いくらなんだって失礼よ。さっきも言ったけど、青木君はね、陸上の大会が迫っているから忙しいの! だからサボっているわけじゃないんだよ」
 

「へぇ……。莉央は本当に何も知らないんだね」


少しだけ冷めたような視線に、私はどきりとした。
 

「え……?」


瑠衣君はすぐに表情を緩めると、再び前を向いて歩き出した。


「そんなことより、早く職員室に持っていかないと次の授業が始まるよ」


「ねぇ、待ってよー」


本当に何も知らないってどういうこと? 瑠衣君の方が何も知らないくせに……。
 

スタスタと歩いていく瑠衣君に、私はただついていくしかなかった。



 
< 28 / 55 >

この作品をシェア

pagetop