甘えん坊な彼氏に私だって甘えたい
——翌年の春。
「莉央ー! 僕の願い通り、莉央と一緒に生徒会の仕事ができて嬉しいよー!」
今年度、瑠衣君は生徒会の書記を担当することになり、私は去年に引き続き会長を務めることになった。
瑠衣君は相変わらず、私と二人きりになると子どもっぽくなる。
「瑠衣君、しーっ! 私だって嬉しいけど、ここは生徒会室なんだからイチャつくのは禁止!」
瑠衣君はしおれた花のようにしゅん……とすると、「わかった……」と呟き、今にも泣きそうな顔をした。
私はそんな瑠衣君を見てくすっと笑うと、「隙あり!」と言って後ろからぎゅっと彼に抱きついた。
「え!? イチャつくの禁止って言ったじゃん!」
「言ったけど……今は二人きりだから、やっぱりいいかなって思って。これから第一回目の生徒会会議だし、しっかりパワーチャージしておきたいの……」
瑠衣君はごくりと息を飲み込んだ。
「莉央……それだと僕が耐えられない……」
瑠衣君がそう言った、次の瞬間だった。
「はいそこ、二人ともイチャつくの禁止!」
「く、黒木さん……!!」
副会長になった黒木さんに突然見つかり、私と瑠衣君は慌てて身体を離した。
「ふぅ……。この二人が揃うと熱すぎて仕事にならないわ。さ、会長。今日もパパッと仕事を片付けよ! それにしても、他のメンバーが全然来ないわね。やる気があるのかしら」
私と瑠衣君はお互いに顔を見合わせ、「しまったね」というように苦笑いを浮かべた。
三年生になったこともあって、学業と生徒会の両立は以前よりも大変になりそうだ。
けれど、すぐそばに私の甘えを優しく受け止めてくれる彼がいてくれる。
だから今日だって、明日だって、ずっと頑張れそうなのだ。
—Fin—