永久花

押し花のノート

だんだん記憶が曖昧になってくる。



遠くなるんじゃなくて、あやふやに……。





*









『永遠はないよ』





『じゃあ、私が証明してみせるよ』





『どうやって』





『今に見ててよ』







*







 就寝前、今日一日の出来事を綴る。

 今日の分を書こうと書斎デスクに向かい、ノートを広げ、老眼鏡を掛け万年筆を握る。



 ふいに、思った。





 どうして毎日毎日、飽きもせず日記なんか続けているんだろう。当たり前に続けていたせいか、疑問に思う事も無くなっていた。





 はて、きっかけは何だったかな…。







 本棚にはとうに30冊を超えたノートが横に均等に1列に並ぶ。今はきっかけなどはどうでもよくなり、日課として続けていた。





 一番初めの頃の日記を何となく、読み返すことにした。

 本当に何となく、そんな気分だったのだ。



 ただそれだけ。





 無地のノートの表紙には3輪の押し花が貼られてあった。真ん中部分は黄色く、花弁は淡いピンク色をしていて幾重にも重なっている。



 パラパラとページをめくる。



 あれ、自分とは違う字で綴られているではないか。途中で手筆が変わったんだろうか。丸くて柔らくて、そしてはっきりした筆圧。





 …いや、違う。これは自分の字ではない。





 好奇心に似たその感情は、どこか懐かしくもあり、胸が高鳴る。





 無作為にめくったページを読んでみることにした。



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